介護現場における業務効率の改善やサービスの質の向上、自立支援への取り組み強化に向けて、開発や活用が期待されているAIによるケアプランの作成支援。シーディーアイ(東京都中央区)による商品化で注目を浴び、ウェルモ(同千代田区)も今秋の発売を目指すなど、国内数社が開発を進めているところだ。ただ、一口にAIによるケアプランの作成支援といっても、個々のサービスや開発企業の問題意識によってその特色は少しずつ異なる。各社はサービスの普及についてどのような戦略を描き、ケアマネジャーの役割はどのように変わっていくのか。現在の政策やメーカーの開発状況を俯瞰した。【吉木ちひろ】
AIを活用したケアプラン作成については、「未来投資戦略2017」など、政府の成長戦略にも度々盛り込まれてきた。7月17日に閣議決定した骨太方針2020にも、「ケアプランへのAI活用を推進するとともに、介護ロボット等の導入について、効果検証によるエビデンスを踏まえ、次期介護報酬改定で人員配置の見直しも含め後押しすることを検討する」という文言が盛り込まれたところだ。
政府方針の下、保健医療分野における横断的なAIの開発促進について議論を進めてきた厚生労働省の有識者会議「保健医療分野AI開発加速コンソーシアム」は6月、「自立支援・重度化防止等に資するAIも活用した科学的なケアプランの実用化に向けた取り組み」について、「21年度から検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずる」ことを「工程表」にまとめた。現在はケアプラン作成支援に係る「課題の整理」を進めているところだ。
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