医療ニーズがある要介護者が在宅療養を継続するためには、必要な在宅医療サービスと介護サービスが一体的に提供されることが重要になる。しかし、ケアプランを作成する介護支援専門員が、医療ニーズへの対応を盛り込んだケアマネジメントに自信が持てないなどの困難や負担を感じていることから、日本看護協会は看護師による介護支援専門員への相談支援の手引きをまとめた。【齋藤栄子】
「医療ニーズを有する利用者のケアマネジメントに関する看護師による介護支援専門員への相談支援事業 実施の手引き」は、日看協が「2018年度厚生労働省老人保健健康増進等事業」として全国6地域(22協力事業者)で実施したモデル事業のスキームや成果などを整理したもの。
18年10月から12月にかけて、地域の訪問看護ステーションなどの看護師が介護支援専門員からの医療・看護に関する相談に応じて、▽利用者のアセスメントやケアプラン作成についての助言▽必要に応じて同行訪問するなどの支援―を試行事業として実施した。
これらの相談支援に当たった協力事業者や相談窓口を利用した介護支援専門員などへのヒアリング、実施記録のデータ収集などを行い、効果と課題を検証した。
■医療ニーズがあるケアマネジメントは「負担を感じる」半数超える
17年度の同事業で、介護支援専門員を対象に「医療ニーズを有する利用者へのケアマネジメントへの考え」を聞いたところ、「自信を持っている」が「そう思う」「まあそう思う」の合計で52.4%、「やりがいを感じる」が77.5%だった。一方で、「負担を感じることが多い」(51.2%)、「困難を感じることが多い」(54.1%)とする回答も半数を上回った。
困難を感じている内容は、「医療ニーズのアセスメントおよび説明」の項目では「疾病や治療方針の理解」(52.5%)、「利用者の病状の変化に伴うプラン変更の判断」(44.9%)、「地域の医療資源(サービス)との連携」の項目では、「医師(入院・外来診療)との連携」(52.0%)、「医師(訪問診療・往診)との連携」(44.7%)の順に多かった(複数回答)=資料1=。
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