厚生労働省は19日、「社会福祉法人の事業展開等に関する検討会」の初会合を開いた。厚労省は、介護人材の不足などの問題解決に向けて、社会福祉法人が地域で連携してサービス提供する協働化や、合併による大規模化、社会福祉法人が主体となる連携法人制度の創設も視野に入れて話し合う考えを示した。委員からは、大規模化が効率化につながるとは限らないなど、活発な意見が出された。【齋藤栄子】
厚労省社会・援護局の谷内繁局長は開会のあいさつで、社会福祉法人は地域共生社会の構築に向けた重要な担い手として、組織運営について柔軟化・効率化していく必要があると説明。検討会で、社会福祉法人の「協働化・大規模化に向けた取り組みの方向性について整理する」との考えを示した。
政府の「未来投資会議、まち・ひと・しごと創生会議、経済財政諮問会議、規制改革推進会議」の合同会議が、2018年11月に取りまとめた「経済政策の方向性に関する中間整理」で、医療法人・社会福祉法人それぞれの経営統合や運営の共同化、連携などによる経営の安定化に向けた方策の検討が盛り込まれたことを受けたもの。
人口減少や高齢化の加速などにより、福祉ニーズは多様化・複雑化しているが、複数の法人が協働することで事業の効率性を高めてサービスの質向上につなげている事例があることなども踏まえ、さらなる連携の促進方策について検討を行うとしている。
■社会福祉法人数は増加傾向、17年度で2万838件
社会福祉法人は、社会福祉事業を行うことを目的として社会福祉法の規定に基づき、所轄庁の認可を受けて設立される。その非営利性・公益性に鑑みて、運営に当たり強い公的規制を受ける一方で、税制優遇措置や補助金の交付を受けている。厚労省の調査によると、17年度2万838件で、年間170件程度のペースで増加傾向にある=資料1=。これまでに、▽業績不振▽人的資源・財務資源の効率化▽後継者問題―などを理由に合併が認可された件数は、年間10-20件前後で推移している=資料2=。
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