【一般社団法人リエゾン地域福祉研究所 代表理事 丸山法子】
この4月以降、多数の食品メーカーなどが小売価格の値上げを予定しています。値上げの背景には、原材料の高騰や人件費、物流コストの上昇があるということですが、いろんなものが値上がりし続けているのが気になります。今年に入ってシアトル系コーヒーショップの料金も微妙に値上がりしていますね。
ビジネスパーソンの皆さんにとっては、10円単位の上昇はそれほど気にならないものかもしれません。しかし、やがて消費税が10%になれば、あまり笑っていられないくらいの負担増になることも想像できそうです。
■高齢単身世帯の可処分所得と消費支出は減少
介護の世界に目を向けると、10月には介護報酬改定が控えています。こちらも微々たる金額ではありますが、利用者の負担は増えます。今年になってからの値上がりラッシュに消費者も慣れ、「またか」とため息をつきつつも受け入れられてきましたが、介護報酬の値上がりとなるとどうでしょう。少し事情が違うように思いませんか?
高齢者を対象にしたドラッグストアや大手スーパーの「シニア割」と称した割引制度や、鉄道運賃が3割引きだったり最大6割引きになる航空機代があったりと、各社が消費拡大を狙っています。「蓄えをたくさん使ってください」と言わんばかりですが、現実にはそう甘い話ではありません。
高齢単身世帯の可処分所得と消費支出は減少していて、不足分約4万円を毎月預貯金から取り崩しているのが現実です=資料=。我慢できるものは我慢しなければならない生活の実態がうかがえます。
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