【ファルメディコ株式会社 代表取締役 狭間研至】
私は1995年に大学を卒業して、外科医としての修練を積みました。呼吸器外科を生業とし専門医の資格も取得、大学院で研究も済ませて学位を頂いた時に、思うところがあって実家の薬局を継承することにしました。
やったことのない社長業に加え、零細薬局の運営に四苦八苦しましたが、在宅医療の現場で、「薬を渡すまでではなく、飲んだ後までフォローする」薬剤師を育成することで、特色のある薬局運営ができるようになり、今では一般社団法人日本在宅薬学会という学会までつくって、地域の医療資源としての薬局・薬剤師をよりよいものに変えられないかと活動をしております。
この間、医師としてのスキルを忘れない程度に行うため、週1回、外来診療をしていたのですが、2008年ごろから在宅療養支援診療所の非常勤勤務を始めて、在宅医療に医師としても従事するようになりました。この辺りのお話は割愛しますが、結果的に在宅医療の立場から薬剤師の特性にも気が付くことになり、自分の薬局をどう変えていくのかということにつながっていきました。
30歳代半ばで取り組んだ薬局経営が一段落付いたと思ったころ、とある病院から「働かないか」というオファーを頂きました。当時、在宅療養支援診療所の理事をしながら、医師としても現場を駆け回っていたのですが、バックアップの病院が必要だと診療所のオーナーが判断して、病院をM&Aされたのです。恐る恐る病院を見に行ってみると、設立後40年を超えた196床の病院で、創業された前理事長の専門である外科系の病院で、一時期は大学医局の関連病院としてアクティビティーも高かったようです。M&Aされた当時は、細々と手術はしているものの、内科的な疾患もたくさんいらっしゃるという状況でした。
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