【株式会社メディサイト代表取締役 松村眞吾】
■地域の人は病院のことを認知していない
前回は2018年度診療報酬改定で読み取るべき中小病院(200床未満)、中堅病院(200床以上400床未満)の役割と機能について論じた。中小病院は診療所と共に、地域の「かかりつけ」医機能を、中堅病院は地域の「かかりつけ」医療機関を支援する役割が期待されると述べたが、今回は地域で生き残り、勝ち残る病院であるために何をすべきか考えたいと思う。
いかに大きな建物で、立派な看板を掲げていたとしても、地域住民にとって病院とは、自分もしくは身内に何かあった時だけ必要とされる存在だ。日常的には関心の外にあり、病院関係者、特に経営者が思うほど地域では認知されていない。
医療・介護・福祉関係者は、地域住民の間では、自分たちの存在感は大きいと思い込んでいるかもしれないが、それは錯覚にすぎない。地域資源として認知してもらおうと努力しなければ、何も始まらない。
■地域交流拠点の開設を機に地域の支持を得た病院
ある地方の県庁所在地にある100床未満の療養型病院の事例を紹介する。昔は急性期も手掛けたが、近年は療養型医療に特化し、地域の人口減少などもあって、収益は右肩下がりで、人事労務の問題も、経営者を悩ませていた。知名度が低く、地域でも存在感を示せず、先行きが危ぶまれたことから、生き残りを懸けた闘いが始まった。
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