【医療法人久仁会宇都宮病院 事務長 江川栄輔】
■5年前から人材確保策を強化、定着が進む
当院は和歌山市にある80床(医療療養51床・地域包括ケア29床)の病院です。介護保険施設などの関連施設はありませんが、職員が着実に増えています。2013年4月以降、17年12月末にかけて58人増加(採用76人、退職18人)しました。増員の内訳は、看護師35人、リハ12人、事務6人、その他5人となっています。
和歌山市の人口は、1980年代の中ほどにピークを迎え(約40.3万人)、現在は約36万人(2017年12月1日時点)となっていますが、2060年には21.2万人と約半数になることが見込まれています。
和歌山市内にある看護学校は3校と少ない上、大阪への通勤・通学圏内のために学生・社会人の流出も多く、人材の確保が困難な地域です。そこで、当院では13年から人材確保のため、さまざまな取り組みを進めてきました(主な取り組みは末尾に記載)。
■実際の支給額に4万円近い幅も
今回、ワーク・ライフ・バランスの一環で導入した手当について紹介します。
私は2年間、看護師長らと向き合い、現場の意見を聞く中でワーク・ライフ・バランスについての勘違いに気付きました。それまでは職員の「ライフ」に合わせ、制度やルールを見直そうとしていましたが、そもそも人生の中で「ライフ」に重点を置く時期もあれば、「ワーク」に重点を置く時期もあります。その2つをきちんと区別する勤務手当を導入しました。
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