目指すのは人の支援-。聖路加国際病院(東京都中央区)の物品管理課では、医療現場に入り込み、医師や看護師などの支援に力を入れている。また情報収集・分析力を武器に、病院経営を基礎から支えている。「用度課」と呼ばれてきた部署は、大きく変わり始めている。【大戸豊】
聖路加国際病院、物品管理課の谷部聡マネジャー(前列左から2人目)。物品管理課の職員はスクラブを着て業務をすることで、医療チームの中に入り込んでいる
■新卒事務職を最初から滅菌室に配属
物品管理課の谷部聡マネジャーのキャリアは医事課からスタートしたが、滅菌室への配置換えを機に、病院のモノの管理の在り方を変えてきた。
物品管理課の業務は大きく分けて、(1)価格管理(2)物流管理(3)資産管理-の3つ。(1)は医療材料や医療機器などの適正価格での購入、(2)はその安全・安定的な供給が中心だが、近年重要性が高まっているのが、(3)の資産管理だ。
物品管理課の業務は従来、メーカーや卸との価格交渉が重要な役割の一つだった。しかし、医療材料費のベンチマークシステムや共同購買、病院間の連携により、各病院の購入価格がガラス張りになりつつある。
谷部氏は「コストを抑える上では、価格を下げることも大事だが、必要な物を必要なだけ購入することはさらに重要。いくら価格を下げても、不要な物を買い続けては意味がない」と語る。
聖路加国際病院では近年、購買担当者にも必ず医療現場を経験させている。新卒を最初に滅菌室やカテーテル室に配属したりする。
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