集中講座の第3回では、地域包括ケア病棟と回復期リハビリテーション病棟をテーマに、来年春の診療報酬改定での見直しの方向性を解説する。地域包括ケア病棟では、患者が直接入院するケースの評価を高く見直す公算が大きい。また、整形外科疾患の患者の一部で、回復期リハ病棟入院料の算定上限日数が短縮され、地域包括ケア病棟入院料と同じ60日になる可能性がある。【佐藤貴彦】
■直接入院だと検査などが多い傾向
地域包括ケア病棟入院料などの見直しは、中央社会保険医療協議会(中医協)の「入院医療等の調査・評価分科会」の実態調査の結果を踏まえて行われる。その具体的な内容は、分科会が月内に中間取りまとめを行った後、中医協の総会で話し合われるが、分科会のこれまでの会合では、患者が地域包括ケア病棟に入る前の居場所に注目が集まった。
例えば分科会の調査結果によると、退院できない医学的な理由がリハビリテーションである割合は、入棟前の居場所が「自宅等」(※)の患者で23.7%なのに対し、「自宅等」以外の患者では51.3%を占めるなど、患者像に違いが見られた。
※自宅か特別養護老人ホーム、居住系介護施設、障害者支援施設
調査日から過去7日間に検体検査や生体検査を実施した割合=グラフ1=も、「自宅等」からの患者に多い傾向が見られ、厚生労働省は、評価に差をつける必要性を示唆している。
■初期加算に差? 検査費用を出来高に?
地域包括ケア病棟には現在、急性期病棟から患者を受け入れ在宅復帰させる「ポストアキュート機能」と、在宅療養中に急性増悪を起こした患者を受け入れて在宅復帰させる「サブアキュート機能」の両方が求められ、そのバランスは病院側に委ねられている。
ただ、急性期の7対1病棟や10対1病棟を持つ病院で、そうした病棟からの転院ばかりを受け入れるケースがあることも分科会の調査で分かり、厚労省が課題に挙げている。
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