遠隔診療は自由診療で―。「現場から考える地に足の着いた医療IT」を連載中の社会医療法人財団董仙会(石川県七尾市)の山野辺裕二・本部情報部長(形成外科医)は、診療報酬でDtoP(医師対患者)の遠隔診療を評価することに疑問を呈する。その一方で、DtoD(医師対医師)の遠隔診療には可能性を感じている。また、医療費削減が目的なら、処方箋のIT化など、ほかにも有効な手段はいくらでもあるはずと訴える。【大戸豊】
■遠隔診療は「医師の価値を医師自ら否定するもの」
20年ほど前から遠隔診療の動向を見てきた山野辺氏は、遠隔診療の導入は、医師が自らの価値を否定することにつながると感じている。
そもそも遠隔診療の質は対面診療を上回ることはなく、問診と視診以外はほぼ不可能。できるのは説明と処方のみで、家で測れる検査データも体重・血圧・脈拍・血糖値に限られる。対面診療と比べ、遠隔診療が「安かろう、悪かろう」になるのは避けられないと強調する。
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