【株式会社Work Shift 代表取締役 高木綾一】
1.外来リハでは、要介護者の通所リハ移行と新患獲得が必須
2018年度の診療報酬・介護報酬改定では、外来リハの算定日数超の要介護者は通所リハへの完全移行が実施される見通しである。これに伴い、要介護者の診療報酬の極端な減算、あるいは短時間通所リハの介護報酬の増加などが予想される。従って、外来リハを事業の核とし、要介護者を多く抱えるような医療機関は、経営的にダメージを受けるだろう。外来リハの減収を補うためにも、短時間通所リハの運営を早急に検討する必要がある。また、既に短時間通所リハを運営する医療機関は、定員規模の拡大やリハビリテーションマネジメント加算、生活行為向上リハビリテーション実施加算などの算定を増やし、経営的安定を図る必要がある。
今後、高齢で通院ができない患者が増加し、外来医療の需要減少が見込まれる。外来の新患も減少していくので、新患獲得に向けた具体的な対策が求められる。例えば、▽大病院からの逆紹介を増やす▽スポーツ整形や神経内科など特徴のある診療科を持つ▽通所介護を新設し、利用者から新患を掘り起こす▽在宅医療を行う―などの対策が必要である。
2.老健は在宅復帰か中重度者対応が生き残りの道
現在、介護老人保健施設には、(1)長期お預かり型老健(2)在宅復帰型老健(3)中重度者対応型老健ーの3タイプがある。(2)の在宅復帰型老健は、基本報酬も高く、在宅復帰・在宅療養支援機能加算、入所前後訪問指導加算、退所前訪問指導加算が算定可能だ。(3)の中重度者対応型老健は、認知症ケア加算やターミナルケア加算の取得で、入所者単価の増加が見込める。しかし、(1)の長期お預かり型老健では、基本報酬が低く、算定できる加算も少ないため、単価の増加は見込めない。
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