49の学会・団体が加盟する「看護系学会等社会保険連合」(看保連)は、2018年度の同時改定に向けて診療・介護報酬に関する要望書をそれぞれ作成し、厚生労働省の保険局と老健局に提出した。看保連の井部俊子代表理事は、看護師の多様な「つなぐ機能」への評価に期待を示す。【聞き手・構成=佐藤貴彦】
■患児に同席、在宅ケアの質高める
看護師には、患者を医師や他の医療者とつなぐ、地域とつなぐ、そして医療と介護とをつなぐといった多様な機能があります。
診療報酬改定に関する要望書では、自宅で療養する患者の外来通院に訪問看護師が同席し、医師との間で情報を橋渡しすることを評価するよう求めています。同席は高齢の患者にも必要ですが、患者が小児の場合、その成長に合わせて主治医が指示を出しやすくなります。
現在、同席を評価する報酬はありませんが、そんな中で同席を始めた訪問看護ステーションもあります。
その聞き取り調査を看保連の研究助成で行ったところ、小児患者の再入院や臨時の訪問が減ったことが分かりました。小児患者が退院しやすくなるように、在宅ケアの質を高める取り組みとして普及させるべきです。
■看護がつないだ外保連・内保連との合同提案
小児患者の療育環境が適切とは言えず、公的な支援が必要なケースもあります。看保連の研究助成を受けた別の調査では、小児の入院施設の6割超が「児童虐待対策チーム」を設けて虐待などに対応していました。
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