人気連載「データで読み解く病院経営」の筆者、株式会社メディチュア代表取締役の渡辺優氏は、2018年度の診療報酬改定に向け、データに基づき「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)を適切に設定することが不可欠と訴える。やみくもに厳しくすれば、医療の質にも影響を与えるという。【大戸豊】
9月23日のCBnewsセミナー「18年度同時改定を乗り越え、生き残るために」で、渡辺氏は講師を務める。報酬改定の急性期病院へのインパクト▽急性期7対1のままでいいのか?▽急性期医療需要減少への対応策-などを解説する予定だ。
■7対1の退院日の単価は適切なのか
渡辺氏は入院日や手術日に多くの医療資源を投入し、看護師の手厚い配置が必要なことは誰も否定しないとしつつも、退院日とその数日前については、医療資源投入量と看護配置の“費用対効果”が実態に見合っているのか、精査される可能性が高いという。
患者が入院し、回復するにつれ、医療資源投入量も看護配置も少なくて済むようになる。そして、退院日当日は事務的な手続きは多くても、直接的なケアはほとんど提供されないことも多い。退院日の前日なども、医療的な手間はそれほどかからない患者も多い。
渡辺氏は、看護必要度では、医療的な処置を評価するA項目よりも、患者のADLを評価するB項目で現状評価されている患者が焦点になるとみている。B項目の点数が高い患者は、退院後に介護が必要な患者である可能性が高い。急性期病院でもADLの低い患者の介助を評価する必要はあるが、介護施設と比べた場合、7対1病床などでの介助は“過大に”評価されていると国が考える可能性もあるという。
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