「地域医療構想のギモン」では、地域医療構想の課題を対話形式で考えていきます。
CB医療大学の社会人コースで医療経営を学ぶ病院事務のギギ係長は、講師のカイシャク准教授に、地域医療構想についてよく分からないことがあると疑問をぶつけました。ギギ係長は、病床機能の分化が進むと、人の配置をどうすればいいのか不安なようです。【大戸豊】
■慢性期の病床減らしちゃって大丈夫ですかね?
先週、うちの院長が市内の病院長と集まって、今後の医療体制について話し合ったそうです。そもそも、地域医療構想はなぜ必要なのですか。
高齢化が進んで、地方では人口が減っていくからでしょう。
20-30年前なら、中年など“若い”患者の入院が多かったのが、今は複数の疾患を抱える高齢患者の入院が多い。入院患者の年齢層が以前と変わり、医療のニーズも変化した。地方から先に人口が減っていく中、以前より病床が少なくて済むようになってきたのが、地域医療構想を進める理由だ。
2025年の必要病床数の推計では、多くの都道府県で高度急性期、急性期の病床は過剰になる一方で、回復期の病床は不足が見込まれます。国も医療機関に対し、将来を見据えて回復期などにシフトするようメッセージを送っています。
でも国は、慢性期についても過剰だと言います。高齢者が増えるなら、回復期だけでなく、慢性期の病床を増やしてもよさそうじゃないですか。それなのに、介護療養病床などを17年度末に廃止して大丈夫ですかね。
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