一般病棟入院基本料の7対1を届け出る病床数が減り続けている。各地方厚生局の公開データ(5月末時点)を基に、各都道府県の届け出病床数をCBnewsが集計した結果、計35万6463床あり、1月時点と比べて約2000床減ったことが分かった。ただ、都道府県別に見ると愛媛など8都県では増えていた。【佐藤貴彦】
■17病院が病棟群単位で届け出
地方厚生局が5月末に公開していた都道府県別のデータの多くが4月時点のもので、12道府県(北海道・福井・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島・香川・愛媛・高知)では5月時点だ。
それらを集計した結果、全国の5003病院が一般病棟入院基本料を届け出ていた。この入院基本料は看護配置などの要件ごとに幾つかの区分に分かれるが、要件が厳しい代わりに点数が最も高い7対1の区分を1514病院(30.3%)が届け出ていた。
一般病棟入院基本料を届け出る病棟が複数ある場合、すべてで同じ区分を届け出るのが原則だが、10対1と病棟群単位で届け出できるルール(来年3月末までの時限措置)があり、17病院が活用していた。このルールを活用する病院数は1月時点と同じだが、病院には入れ替わりがあった。
■7対1、熊本など27道府県で減少
都道府県別の7対1の病床数にはばらつきがあり、最多は東京(3万3809床)で、大阪(2万7728床)や神奈川(2万1682床)、愛知(1万9646床)なども多かった。一方、最少の高知は1759床で、岩手(2023床)や鳥取(2066床)、山梨(2091床)なども少なかった=グラフ1=。
1月時点の7対1病床数と都道府県ごとに比べると、8都県で増え、とりわけ愛媛(119床増)と東京(105床増)は100床以上増えていた。一方、27道府県では減っており、特に熊本は397床減少していた=グラフ2=。
■公的医療機関の7対1への転換が相次ぐ
愛媛で7対1病床が増えたのは、一般病棟入院基本料を120床で届け出る県立南宇和病院(愛南町)が10対1から転換したためだ。この病院を含めると、10対1から7対1に計5病院がシフトしていて、いわゆる公的医療機関がそれらの過半数を占めた=表1=。
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