ポイントは、医療機能の高度化に向けた人材確保-。城西大経営学部の伊関友伸教授は、近年業績を伸ばしている自治体病院・公的病院は、人材を増やし、高度急性期機能をアップさせた病院だと強調する。近年進む自治体病院の再編・統合も、病院機能の強化で生き残りを懸ける姿勢が表れているという。若年人口が減少していく中で、自治体立・公的、民間を問わず、今後は人材確保がより重要になると語る。【大戸豊】
伊関教授は、これまで看護師を雇用すれば算定できた7対1入院基本料について、「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の厳格化で、より重い症状の患者を診る病院が優先されるようになったと話す。適切な医療の提供に対し、適切な診療報酬を配分するというのが厚生労働省の考え方であり、7対1要件の厳格化やDPC機能評価係数IIを重視する傾向は時代の流れと語る。今後は、多くの看護師を集めて高度急性期を担う病院と、ある程度の看護配置で回復期・療養期の高齢者を中心に診る病院との二極分化が一層進むとみている。
高齢者を中心に診る病院では、特に地方において看護師の雇用が困難になっている。伊関教授は、地域包括ケア病棟は、報酬が一定程度確保でき、看護配置が13対1で済むことがメリットになっていると説明する。
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