【千葉大学医学部附属病院 副病院長・病院長企画室長・特任教授 井上貴裕】
医療機関群ごとに評価される基礎係数では、診療密度が高く、DPC/PDPSの包括範囲内で医療資源投入量が多い病院でなければII群になることはない。
この連載でも取り上げてきたように、基礎係数に損失補てん的な要素があるのは事実で、診断群分類では評価し切れない患者の重症度などが、ここに反映されていると考えることもできる。
II群の実績要件では、診療密度と併せ、医師研修の実施も評価対象となっている。これには、病床当たりの研修医数が多ければ医療資源投入量もそれだけ多くなるという意味も含まれるのであろう。初期研修医が多数在籍すれば、検査や画像診断などのオーダー量が増加する可能性もある。初期研修医がある程度の医療資源を投入することには重要な意味がある。臨床医としての経験値を積むため、さらにはエビデンスに基づいた診療のトレーニングのためにも、不可欠とも言えるだろう。最初から資源投入を節約するのは無理だ。
今回は研修医が多いと診療密度は高くなるのか、診療密度に影響を与える要素にはほかに何があるのかに言及し、急性期病院に求められている不変の法則を明らかにする。
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次回配信は5月22日5:00の予定です
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