政府が「働き方改革」を進める中、医療職・介護職の働き方は変わるのか。2回目は看護師の業務委譲について考えたい。【大戸豊】
厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が4月に示した報告書の中では、医師の業務のタスク・シフティング(業務の移管)が一つのテーマとなり、今後の動向が注目される。
チーム医療の進展と共に、看護業務のタスク・シフティングも近年、かなり進んでいるようだ。今回は、看護業務の移管(外来と病棟)について考えたい。
日本病院会の「2015年度看護業務の役割分担に関する実態調査結果報告書」※は、いままで看護師が行っていた業務の中で、どの業務を他の職種に委譲できるか、看護師の負担軽減につながるかを検討したものだ(15年6月実施、16年3月公表)。
調査では近年の役割分担の状況変化を把握しており、外来や病棟業務などについて「10年度に業務を行っていた職種」(以下「10年度」)、「15年6月時点で業務を行っている職種」(以下「15年度」)、「今後、業務を担当してほしい職種」(以下「今後」)で回答を求めており、全25職種から3職種まで選択可能としている。各業務について既に移管している病院もあると思うが、各職種の業務内容の変化には目を見張るものがある。
※2418病院に実施、947病院が回答(回収率39.2%)。回答者は看護部長(看護師長も含む)
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