シリーズ「7対1の実像」の第1回と第2回で、一般病棟7対1入院基本料(7対1)を届け出る病院がどのような機能を持っているのかを紹介したが、10対1入院基本料(10対1)を届け出る病院の状況はどうか-。大型連休の特別企画として、10対1を1月時点で届け出済みの2188施設(7対1と病棟群単位で届け出る病院を除く)の実像に迫る。【佐藤貴彦】
■7対1と比べ、一病院当たり病床数が少ない
CBnewsでは、今年1月時点の10対1や7対1の届け出病院数を地方厚生局に情報開示請求するなどして調査した。それぞれの届け出病院数と病床数はグラフ1の通りで、病院数は7対1の1502施設を10対1(2188施設)が上回るが、病床ベースでは7対1(約36万床)が10対1(約17万床)を大幅にしのぐ。
10対1の病院のうちDPC対象病院は14.9%(病床数だと27.4%)で、大半がDPC対象病院の7対1とは傾向が異なる。
10対1病床の規模別(10床刻み)に病院の分布を集計すると、最多は40床台の400施設で、全体の18.3%を占めた=グラフ2=。一病院当たりの10対1の病床数は平均値が77.8床、中央値が56床で、7対1(それぞれ237.6床と203.5床)と比べて小規模なケースが多い。
10対1の病床規模別(60床刻み)・地方ブロック別に病院数を集計した結果がグラフ3だ。10対1病床が小規模な病院の割合が高い傾向は、どのブロックにも共通すると言えそうだ。
とはいえ、中には大規模な病院もある。10対1病床が最も多いのは岐阜県大垣市の大垣市民病院で794床。2番目の亀田総合病院(千葉県鴨川市)も726床に上る=表1=。
■高度急性期の治療室持つ10対1病院も
これらの病院は10対1のほかにどんな機能の病棟や病床、治療室を持っているのだろうか。病床機能報告制度の「報告マニュアル」で、「高度急性期」と「回復期」「慢性期」の機能の例として、厚生労働省が挙げている特定入院料などの届け出状況を調べてみた。
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