4月から介護職員処遇改善加算の新加算Iがスタートした。加算IIよりさらに一人当たり1万円の給与アップが期待できるとされる。しかし、この新加算Iの算定要件が介護経営の混乱を招いている。
新加算Iを算定する場合、新たに設けられたキャリアパス要件IIIを満たすことが求められる。この算定要件では、従来の要件にはない昇給の規定を、経験・資格・評価のいずれかで定めることが必要となる=図=。
キャリアパス要件IIIの算定を、改めて整理する。まず、下記(1)から(3)までのうち、一つ以上に該当しなければならない。
(1) 経験に応じて昇給する仕組みを設けている。「勤続年数」や「経験年数」などに応じて昇給する仕組みである。
(2) 資格等に応じて昇給する仕組みを設けている。「介護福祉士」や「実務者研修修了者」などに応じて昇給する仕組みである。
(3) 一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けている。「実技試験」や「人事評価」などの結果に基づき昇給する仕組みである。ただし、客観的な評価基準や昇給条件が明文化されていることを要する。
さらに、以下にも該当しなければならない。
(4) (2)を適用する場合、介護福祉士資格の有無で昇給する仕組みであるとき、介護福祉士資格を有した状態で雇用された者も、さらなる昇給の仕組みがあること。
(5) 昇給の仕組みについて、当該事業所や法人に雇用されるすべての介護職員(パート等非常勤職員を含む)が対象となり得るものとなっていること。
(6) キャリアパス要件に適合することが就業規則等に明文化されていること。
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