在宅での多職種の連携を進め、効果的なリハビリを実現するため、2015年度の介護報酬改定で新設された通所リハビリテーション事業所(通所リハ)の「リハビリテーションマネジメント加算II」(リハマネ加算II)を算定する事業所が、全事業所の4割弱にとどまっていることが、厚生労働省の「平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査」(16年度調査)で分かった。訪問リハビリテーション事業所(訪問リハ)では、同加算を算定した事業所は15%にも達していなかった。通所リハ・訪問リハとも算定できない事業所が大きな理由として挙げたのは医師との連携だった。【ただ正芳】
リハマネ加算IIは、利用者が地域で生活を送る上で、より効果的なリハビリを実現するために設けられた加算。主な要件は以下の通り。
(1)リハビリテーション会議を開催し、リハビリテーションの内容や目標を、通所リハビリテーション事業所の職員のほか、介護支援専門員、居宅サービス計画に位置付けた指定居宅サービス等の担当者、その他関係者と共有すること。
(2) 通所リハビリテーション計画は、医師が利用者またはその家族に対して説明し、同意を得ること。
(3) 開始月から6カ月以内の場合は1カ月に1回以上、6カ月を超えた場合は3カ月に1回以上、リハビリテーション会議を開催し、通所リハビリテーション計画を見直していること。
(4) 理学療法士、作業療法士または言語聴覚士が、介護支援専門員に対し、利用者の有する能力、自立のために必要な支援方法および日常生活上の留意点に関する情報提供をすること。
(5) 理学療法士、作業療法士または言語聴覚士が、家族もしくは指定訪問介護等の指定居宅サービスの従業者に対し、利用者の居宅で、介護の工夫および日常生活上の留意点に関する助言を行うこと。
(6) (1)から(5)のプロセスについて記録すること。
16年度調査のうち、「通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション等の中重度者等へのリハビリテーションの内容等の実態把握調査事業」では、955カ所の通所リハと1500カ所の訪問リハにアンケート調査を実施。通所リハからは507カ所、訪問リハからは878カ所の有効回答を得た。
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