東京都医師会の猪口正孝副会長は、高齢化の進展により、転院搬送をはじめ、「急がない救急」が増加する中、地域が主体的に病院救急車を活用していることに期待を寄せる。【大戸豊】
猪口副会長は、地域の医療機関において機能分化が進んでいく中で、病院救急車の活用が広がるとみている。
東京都の地域医療構想では、2025年の必要病床数は約11.3万と推計され、現状から8000床不足することが予想される。
東京都の地域医療構想策定部会の部会長を務めた猪口副会長は、「大学病院8つ分の医療従事者を新たに確保できるのか」と危惧し、病床回転率を高めることが現実的な対応方法と強調する。
高度急性期・急性期の病院では、平均在院日数を短縮し、病床稼働率をアップさせる。同時に、地域包括ケア病棟や回復期リハ病棟などは、急性期からの退院患者をどんどん受け入れていくことが欠かせない。
さらに、25年までに、医療療養病床の医療区分1の患者の7割が「在宅等」に移ることからも、猪口副会長は、「在宅や介護施設の受け入れ体制まで充実しなければ、結果として患者は早期に退院できず、病床回転率は上がらない」と訴える。
その上で、病院救急車は地域包括ケアや「時々入院ほぼ在宅」といったサイクルをつくっていくためにも、欠かせないツールという。
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