CBnewsは、一般病棟入院基本料(一般入基料)の区分ごとの全都道府県の届け出状況(1月1日時点)を調査した。一般入基料を届け出る病院数は計5014施設で、このうち1503施設(30.0%)が7対1を届け出ていた。そのほか、17施設が7対1と10対1とを病棟群単位で届け出ており、7対1の届け出病床数は計35万9078床だった。ピークの2014年3月時点と比べると5.6%少ない。【佐藤貴彦】
一般入基料の7対1は、看護職員を手厚く配置し、重症度の高い患者を受け入れる病院を評価する診療報酬項目。点数が高いことから、06年度に創設されてからしばらく、届け出病床数が増加。14年3月時点で38万床以上が届け出ていた。
しかし、同年春の診療報酬改定で施設基準が厳格化されたことなどから、減少に転じた。15年6月、病床数が多い東京女子医科大病院(東京都新宿区)と群馬大医学部附属病院(前橋市)が特定機能病院の承認を取り消され、特定機能病院入院基本料から一般病棟入基料に届け出を改めたため、同年10月時点で37万床近くに増えたが、それ以降は減少が続いている=グラフ1=。
CBnewsは、地方厚生局に情報開示を請求するなどして、最新の届け出状況を調査した。
■少子・高齢化で7対1のニーズは縮小?
来年春の診療報酬改定に向けて議論する中央社会保険医療協議会(中医協)では、早くも一般病棟入基料の評価のあり方が論点となっている。厚生労働省は、その資料として今月の中医協総会で、一般病棟入基料の届け出病床に入院する患者の年齢層を調べた結果を示した。それによると、7対1の病床で75歳以上の割合が比較的少なかった。
今後、少子・高齢化が進むにつれ、7対1の需要が減ることを示唆した形だ。ただ、高齢化などの進み方は地域差が激しい。そこで、1月時点の届け出状況の調査結果を都道府県ごとにまとめ、65歳以上の高齢者人口に占める病床数などを算出した。一般病棟入基料を届け出る病院経営者が、今後の7対1などの需給を予想する際の参考になるはずだ。
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