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現行の制度では、新薬の価格を決める際、米国など諸外国の平均価格との差が一定の割合に達した場合、その価格を基に調整するルールがある。
8月24日の総会では、トルツと同じ効能・効果を持つ別の新薬との一日の価格差に約1.7倍の開きがあったため、委員がこれを問題視。厚労省側は、価格の低い薬から使用するよう、都道府県などに通達する方針を示した。
トルツは同月31日から保険が適用されるはずだったが、同社側は「(厚労省の方針は)処方制限につながる内容で、広く患者に薬を届けることができない」として、申請をいったん撤回し、先月3日までに再申請した。
■為替レートの影響で約10万円減
9日の総会で了承された薬価は1剤14万6244円で、当初よりも約10万円下がった。為替レートの影響で、諸外国の平均価格と比較するルールの対象から外れたためで、厚労省側は今回、使用制限は設けない方針を示した。
薬価決定後に企業側が申請を取り下げる際、中医協で審議する決まりは存在しないため、委員からは「中医協の承認は極めて重い」「取り下げの理由を報告すべきだ」「営利企業の戦略に翻弄されるべきではない」といった意見が相次いだ。
また、諸外国の価格との調整が行われなかった影響で薬価が大きく下がったことから、このルールの見直しを求める声も上がり、同省の担当者は、「現在の手続きには改善の余地がある。外国価格の調整のあり方を含めて議論し、しっかりと対応していきたい」と述べた。
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