国内有数の高度急性期病院として知られる「聖路加国際病院」(東京都中央区)は、「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の対象となる重症患者の割合が、一般病棟全体の4割近くに上る。今回の診療報酬改定で、手術後などの患者の状態を測る「C項目」が新設されたが、同病院では看護部、医事課、そして情報システムセンターが連携して、評価漏れなどの対策を講じている。【敦賀陽平】
重症患者の割合が高い同病院では、一般病棟用の看護必要度が改定前の段階で25%前後に上っていた。今回の改定で、患者のADL(日常生活動作)を測る「B項目」の評価票が一般病棟用、ICU用、HCU用で統一されたが、各病棟で同じ基準で重症度の把握をするため、病院側は改定前から、最も項目数の多いHCU用を院内全体で使用していた。
医療関係者の間では、看護必要度の基準を満たす一般病棟の患者の割合が「15%以上」から「25%以上」に引き上げられたことへの懸念が広がったが、同病院では改定後のシミュレーションで、C項目を除いても、25%を超えることを確認していたという。
■テンプレ作成で部署間の連携強化
ネックとなったのがC項目だった。C項目の測定は、手術などを受けた患者が病棟に移った後で、病棟で働く看護師が行う。「患者がどんな手術や検査を受けたのかは、現場にいるナースでなければ分かりません。C項目のどれに該当するのかは、病棟のナースでは判断するのが難しい状況です」。吉川久美子副看護部長はこう指摘する。
精度向上と記録漏れ防止で二重の対策-新・看護必要度の先行事例に学ぶ(1)
看護部一丸、“鉄壁”の対策で精度アップ-新・看護必要度の先行事例に学ぶ(2)
(残り1422字 / 全2224字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】