【北海道介護福祉道場 あかい花代表 菊地雅洋】
厚生労働省の「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」が12月12日にまとめた中間整理では、利用者・家族のニーズに応える努力の結果として大きく広がった介護支援専門員(ケアマネジャー)の業務を、▽法定業務▽保険外サービスとして対応し得る業務▽他機関につなぐべき業務▽対応困難な業務-の4つに大きく分類した。
この検討会は主に「居宅介護支援事業所の(主任)介護支援専門員」に関して議論しているので、この分類も居宅ケアマネの業務分類と考えた方がよい。
法定業務は、居宅介護支援事業所の本来業務そのものが示されているが、問題はその他の3分類である。保険外サービスとして対応し得るとされた業務は、「郵便・宅配便の発送・受け取り」「書類の作成、発送、代筆、代読」「救急搬送時の同乗」。
上記の行為は保険外サービスとして、居宅介護支援事業所利用者から費用を徴収できるわけである。しかし実際にこれらの行為を行って費用請求できるかといえば、それは簡単ではない。現行でも介護更新申請などは費用を別途請求できることは広く認識されているが、実際には無料のサービスとして更新申請を代行している居宅介護支援事業所が多い。そうした費用を請求すると、無料サービスで行っている他の事業所に顧客を取られる可能性があるからだ。上記の行為も同じように、実際には競合他社との兼ね合いから、費用請求することをためらう事業所が多いのではないか。
特に「救急搬送時の同乗」については、「命の危機に陥っている利用者から金を搾り取るのかという批判につながりかねない」などの理由から、「道義上の問題として費用が請求できない」と考える関係者が多いのではないだろうか。しかもこれらが費用請求できる行為とされたことにより、それらの行為は居宅ケアマネが行うべき行為と誤解されかねない。救急車の同乗も費用徴収の有無にかかわらず、ケアマネがその責任で当然すべき行為と認識されかねないのだ。しかし、そうではないと強く訴えておきたい。
■ケアマネの業務分類は意味があるのか?
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