中央社会保険医療協議会(中医協)の万代恭嗣委員(日本病院会常任理事)は、2016年度診療報酬改定で講じられる病院職員の負担軽減策などが、現場の意見を取り入れたものだと評価する。一方、一般病棟入院基本料の「病棟群単位」での届け出を認める経過措置や、ICUを持つ病院などに対する地域包括ケア病棟数の規制などは、次の改定に向けて議論を要すると指摘する。【聞き手・構成=佐藤貴彦】
隅々まで目が行き届いていると言える。例えば認知症対策の関連では、「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)のB項目の見直しや認知症ケア加算の新設などで、急性期から慢性期まで幅広く評価される。また、看護必要度の新たな指標C項目の中に「救命等に係る内科的治療」が入れられるなど、内科系の評価も一定程度図られる。
さらに、現場の意見が広く取り入れられている。具体的には、医師事務作業補助体制加算1の点数が引き上げられ、特定機能病院などでも算定が認められる =表1・2、クリックで拡大= 。
また、夜間の看護職員の負担軽減策として、看護補助者の配置などが推進される。実際に、看護補助者として適切な人材を病院が確保できるか検証すべきだが、方向性としては望ましい。加えて、地域包括診療料(地包診)を病院が届け出る際の要件が見直され、救急告示病院としての認定などが削除されることも高く評価したい。
■看護必要度の見直し、現場の影響懸念
一方で厳しい部分もある。最たるものは7対1入院基本料(7対1)の要件見直しだ。看護必要度の基準を満たす患者割合が引き上げられ、急性期病床の選別が進められる。厚生労働省の試算では、見直しで影響を受ける病院が4割を超える。
不十分な7対1厳格化、早期に新要件検討を-中医協委員インタビュー・幸野氏
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