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■「介護の巨人」が人材不足で赤字に 今月11日の「いい介護の日」、介護最大手のニチイ学館が2016年3月期の中間決算説明会を開いた。ただ、説明会で報告された内容は、社全体で4億7300万円の営業損失が出たことや、主力の介護事業の営業利益が前年同期の半分以下となったことなど、「いい介護の日」にはそぐわない、厳しい内容ばかりだった。 さらに通期の業績予想も期初予想から大幅に下方修正された。予想では売上高こそ前期をわずかに上回ったものの、営業利益は前期の20分の1以下の2億円まで縮小。さらに経常利益は24億円の損失を見込んだ。この予想が現実のものとなれば、ニチイ学館としては15年ぶりの連結経常赤字を記録することになる。 介護業界随一の“巨人”を苦しめる最大の要因は、人手不足に伴う事業展開の遅れだ。中間決算でニチイ学館が示した「対処すべき課題と対応」には、成長力や収益力と並び、人材力が盛り込まれた。具体的には、全社の介護スタッフが半年前に比べて1397人減少したという。 介護スタッフが減った理由について、同社の森信介専務は、「介護職員初任者研修」の導入以降、人材の供給源となっていた介護資格講座の受講生が減少したことに加え、景気の好転に伴い、人材確保が困難になったことが、スタッフ数の減少につながっていると分析。さらに、スタッフが不足した結果、顧客のニーズに応え切れず、利用者の減少につながったという。ただし、これまでに実施した初任者研修講座の受講費用の半額キャンペーンなどが功を奏し、受講生は既に増加に転じているため、今期の第4四半期ごろから介護事業の業績も回復に向かうとしている。 ■人材不足がもたらした過去最悪ペースの倒産と、新規法人の減少
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