「きょうの資料からは離れるが、一言意見を申し上げたい」-。おもむろに手を挙げて発言したのは、舌鋒鋭い中川俊男委員(日本医師会副会長)。先月27日の中央社会保険医療協議会(中医協)で、最後の議題の終了間際、会長が「ほかに意見がないようなら」と締めようとした時だ。中川委員は経済財政諮問会議を念頭に、中医協の外部で診療報酬の見直しが議論されることで「それ自体が既成事実化されるのではないか」と懸念を表明。一方で諮問会議の民間議員らは、2020年度の基礎的財政収支の黒字化に向け、一般病棟7対1入院基本料の引き下げなどを提言している。綱引きが続く中医協と諮問会議は共に10日に開かれる。【丸山紀一朗】
中川委員はこれに先立つ同13日の中医協でも同様に、会合が佳境に入り、ほかに発言が出ないことを確認してから「はい」と挙手し、さらに厳しい表現で諮問会議をけん制した。
「これから14年度改定の影響の実態が明確になる時期だが最近、中医協として(支払・診療)の各側委員が認識を共有しておかなければならないことがある」と述べ、諮問会議の民間議員などが一般病棟7対1入院基本料など報酬の個別項目について減額や要件見直しに言及していることに不快感を表明。さらに、「これは中医協に対する圧力、もしくは越権行為にも当たる。2つの会議(諮問会議と財務省の財政制度等審議会)には強く自制を求めたい」と語気を強めた。
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