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―15年度介護報酬改定で、医療と介護の連携を意識したポイントは。
医療と介護の接点を、いかにシームレスにしていくかが大きな課題だ。その接点の一つに、入院医療からの退院調整がある。つまり、急性期や回復期の入院医療から介護保険の生活期のリハビリテーションに、いかに円滑に移行していくかが12年度改定から継続した課題だった。
―なぜ円滑に移行できないのか。
移行が滞る理由の一つは、医療側と介護側とでリハビリテーションの中身がほとんど変わらないことだ。
つまり、医療側では脳卒中や骨折などで入院した患者を手術し、筋力や関節の可動域を復活させるためのリハビリテーションを急性期から実施する。これは心身機能の基礎を取り戻すための取り組みだが、リハビリテーションの本来の目標は別にある。「もう一度、旅行したい」とか「また、家族のために夕食を作れるようになりたい」という、生活に密着した目的を成し遂げることこそが目標だろう。特に介護側のリハビリテーションでは、それを強く意識した取り組みが不可欠となる。
ところが実態を見ると、介護側でも医療側と同様に、心身機能を取り戻すためのプログラムばかりが実施されていた =グラフ、クリックで拡大= 。
そこで15年度改定では、日常生活に着目したリハビリテーションが広く実施されるように仕組みを改めた。
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