【医療法人彩清会 清水病院 専務理事 事務局長 清水大貴】
医療法人彩清会清水病院は今年度、創立70周年を迎えます。清水病院が位置する埼玉県の秩父医療圏は 人口約11 万人(2010 年)、面積893平方キロメートル、人口密度は121 人/平方キロメートルの過疎地域型二次医療圏です。地域の医療人材は医師、看護師共に少なく、人口は25 年に9万人、40 年には7万人に減少すると予想されている一方、75 歳以上人口は10年の1.6万人から25 年に1.8 万人に増加、40 年もこの1.8 万人を維持することが見込まれています。
※日医総研「地域の医療提供体制の現状と将来-都道府県別・二次医療圏別データ集 - (2014 年度版)」(高橋泰、江口成美)より抜粋
このように高齢者人口が増加し、生産年齢人口が減少する秩父地域において、私たちは人材の「採用・育成・定着」が2025年に向けた最重要課題ととらえ、昨年度より本格的に取り組んでおります。私たちの使命は、この秩父地域において医療・介護を永続的に提供すること、そして25年に生き残るための条件は、人材の「採用・育成・定着」の力を付けることと考えております。
■賃金で来た人は賃金で去る
まずは当院の概要をお話しします。当院は今年70周年を迎えますが、20年前までは救急指定の一般病棟(外科)として地域医療を担ってまいりました。しかし、より地域ニーズに即した医療を提供するため、私が入職した20年前、現在の療養病棟に転換しました。病床転換とそれに伴う増改築で、当時は業務の仕組みやフローにさまざまな変化がある中で新入職員が続々入職し、大変混乱していました。このような混乱期には、十分な教育・指導ができず、残念ながら退職者も多く出てしまいました。
次回配信は6月3日5:00を予定しています
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