中央社会保険医療協議会(中医協)の委員を先月退任した矢内邦夫・全国健康保険協会(協会けんぽ)東京支部長は、キャリアブレインの取材に応じ、2016年度診療報酬改定に向けた中医協の議論では、都道府県が今年度から策定する地域医療構想(ビジョン)との整合性を取るよう意識すべきと述べた。また、「診療報酬とビジョンは、最終的に医療機能の分化・連携を目指すという点で目的は同じ」とも述べ、相互に矛盾のない改定となるよう期待感を示した。委員という立場を離れた今、どのように中医協の議論を見ているのか。矢内支部長に聞いた。【聞き手・丸山紀一朗】
14年度診療報酬改定では、団塊の世代がすべて後期高齢者になる25年に向け、医療機能の分化・連携を進めていこうというのが最大の課題だった。在宅医療の充実など医療提供体制を再構築し、地域包括ケアシステムを組み立てるという一連の流れがあり、われわれはその議論の真っただ中にいた。毎回、その緊張感のある場で、責任ある発言をするという重みを感じてきた。貴重な経験だったし充実していた。退任し、少し気は楽になったが、今後の議論でどこが問題になってくるのか関心がある。
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