【千葉大学医学部附属病院 病院長企画室長・病院長補佐・特任教授 井上貴裕】
2012年度診療報酬改定ではDPC/PDPSに基礎係数が新設され、DPC対象病院が3つの群に分類された。Ⅰ群が大学病院本院であり、Ⅱ群が高診療密度を有する大学病院本院並みの診療機能を有した病院、残りをⅢ群として、群ごとに基礎係数が設定された。
Ⅱ群になるためには、=図1=の実績要件をすべて満たす必要がある。実績要件は手術件数を除きⅠ群の最低値(明らかな外れ値を除く)に設定されている。つまり、Ⅱ群は診療機能の面で大学病院本院並みと評価されたわけであり、この評価は経済的な面よりもプライドという点で病院経営層を大いに刺激し、Ⅱ群を目指すために各医療機関はさまざまな取り組みを行うようになった。Ⅱ群の実績要件のうちハードルが高かったのが、「診療密度」「手術1件当たり外保連手術指数」「医師研修の実施」である。各実績要件の特徴を説明しながら、各要件をクリアするために求められる施策、さらに各要件の今後のあり方について私見を交え言及する。
図1 DPCⅡ群病院の要件
厚生労働省資料を基に作成
次回配信は4月27日5:00を予定しています。
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