【宗和メディカルオフィス代表 原田宗記】
医療現場の失敗にはさまざまあるが、資金調達での問題も多い。今回は、生命保険会社の知人から「事業計画の見直しが必要と思われるクリニックがあるので、相談に乗ってほしい」と頼まれ、かかわったケースを紹介する。
■口約束の融資に一抹の不安…
開業に当たっては、医薬品卸会社開業部門のA氏が中心となり、全ての窓口となっていた。どんな形でも売り上げが多ければよいと考えているように見受けられた。院長は10年間病院で勤務し、50歳までには開業したいとの思いで決断。開業本は読んでいたが、「経営についてはよく分からない」というのが実情。「融資はOK出たのですか?」と聞くと、「大丈夫だと聞いています」と言う。しかし、「銀行の担当者とお会いしましたか?」と念を押すと、「一度だけ」と言い、書類の提出もまだであることが判明した。
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