【宗和メディカルオフィス代表 原田宗記】
内科クリニックを開業して3年目。開院当初から勤務する看護師が、6か月後を目途に迷惑を掛けないように退職したいと言ってきた。仕事はできるが、協調性が少し足りないマイペース派。スタッフや院長とのトラブルはない。引き留めることも検討したが、通勤距離やプライベートな事情も重なって、残念だが認めることにした。退職までの一定以上の期間を取って考慮してくれるだけでも、クリニックにはありがたい人材と言える。
代わりの看護師の募集は、職業安定所と折り込み広告を活用。看護師はなかなか見つからないのが実情なので、人材紹介会社にも依頼した。半年先とはいえ、採用は簡単にはいかないだろうと考えていた。
職安に掲載して1週間の間に、職安経由で2件の問い合わせがあった。どちらも40代の看護師。このごろ、クリニックの応募者は40代以降の人材が多い傾向がある。以前は、履歴書持参で即面接をして採用を決めていたが、経歴やあらかじめ確認した方がよい内容もあり、面接も効率よくできるので、先に履歴書の郵送をお願いするようになっている。1人はすぐに「分かりました」との返事だったが、もう1人は「直接持参では駄目ですか?」と聞き返すので、「面接は確実にしますので、お手数ですが先にご郵送をお願いします」と話すと、「分かりました」と返事をしていたが、結局郵送してこなかった。
職安からの応募の場合、就職活動の実績が失業手当の要件となっており、電話の問い合わせのみでも活動したことになるので、面接まで進まないケースもある。採用する側の要望に応えてもらえるかという点も、採用を決定する上での判断材料となる。また、最近では能力を判断するため、職務経歴書もお願いするケースが増えている。ただし、そこまで要望すると応募者が少なくなる傾向にあるので、応募の少ない職種には注意が必要である。
次回の記事配信は、1月23日5:00を予定しています
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