医療・介護従事者だけでなく、一般からも注目される「ユマニチュード」は、「見る」「話す」「触れる」といったコミュニケーションを包括的に行いながら、認知症の人との関係性を築いていく方法と言える。フランスで生まれたこのメソッドを日本に紹介したのが、東京医療センター・総合内科の本田美和子医長だ。【大戸豊】
「しかし、このアプローチを実践することで、届けたいケアや治療を受け取ってもらえるようになった」
「ユマニチュード(Humanitude)」とは、“人間らしくある”という意味を込めたフランス語の造語だ。ケアをする相手に対し、「あなたは私にとって大切な存在である」というメッセージを、相手が理解できる形で伝えることを重視している。体育学の研究者であるイヴ・ジネストとロゼット・マレスコッティの両氏が医療機関での実践の中から生み出したもので、35年以上の歴史がある。
(残り2947字 / 全3462字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】