【西岡税理士事務所　西岡篤志】

　従業員のための福利厚生費は、医療機関の事業に関係があるため、経費で落ちると考えるのが通常である。福利厚生費とは、専ら従業員の慰安のために行われる運動会や旅行などのために通常要する費用、創立記念日などに際し、従業員におおむね一律に供与される通常の飲食に要する費用、従業員またはその親族などのお祝いや不幸などに際して、一定の基準に従って支給される結婚祝い、出産祝い、香典、病気見舞いなどを言う。

　しかし、福利厚生費の中でも、特定の従業員だけに支払われているものや、食事代の負担、従業員の慰安旅行などは一定の条件を満たしていなければ経費では落ちないこともある。税務調査では、特定の従業員への給与扱いとなるような費用がないか、一定の条件をきちんと満たしているかどうかの観点でチェックが行われる。

■従業員との飲食費は程度によって違う

　医療機関の経営において、ある特定の従業員と食事に行くことが業務上必要となるシーンも少なくない。しかし、その頻度があまりにも多過ぎたり、1回当たりの飲食費が高過ぎたりした場合には、経費と認められないケースや、その特定の従業員に対する給与扱いとなってしまうケースがある。ただし、その飲食が業務上必要な話をする目的で、茶菓、弁当、そのほかこれらに類する飲食物の供与に通常要する程度のものであれば会議費となる。

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