自民党の介護福祉議員連盟は12日、来年4月に予定される介護報酬改定について、厚生労働省や全国老人福祉施設協議会(全国老施協)の関係者からヒアリングを行った。出席した厚労省老健局の三浦公嗣局長は、財務省が大幅なマイナス改定を求めている点について、「(大幅なマイナス改定となれば)事業者に大きなインパクトがあるだけでなく、地域経済にも大きな影響がある」と強くけん制した。【ただ正芳】
特養の基本報酬、引き下げが議題に(2014/10/29)
高まる「マイナス」への圧力、反発する現場(2014/10/27)
財務省は、「2014年介護事業経営実態調査」で示されたデータなどを基に介護事業の全サービス加重平均収支差率を算出。その値が約8%となり、一般の中小企業の水準(2.2%)を大幅に上回ったことから、「介護報酬の基本部分に係る適正化(少なくとも中小企業並みの収支差となるマイナス6%程度の適正化)が必要」と、財政制度等審議会財政制度分科会に提案した。特に特別養護老人ホーム(特養)については、「内部留保が蓄積しない水準まで介護報酬水準を適正化することが必要」としている。 財務省のこの提案について、介護福祉議員連盟の議員からは、「(報酬を)上げこそすれ、下げることはあり得ない」など、強く反発する声が続出した。 三浦局長も、「財務省の言っている6%(のマイナス改定案)が、妥当だとは全く思っていない」と強調。また、特養の内部留保については、その定義が必ずしも明確になっていないため、どの施設の内部留保が多いか、特定できていないのが現状とした上で、年末までに社会保障審議会福祉部会で一定の結論を得る方針を改めて示した。 また、全国老施協の石川憲会長は、特養の基本報酬が6%引き下げられると、6割近い事業所が赤字経営に陥り、地域の介護崩壊を招きかねないと指摘。来年4月の介護報酬改定では、少なくとも現状水準を維持する必要があると強く訴えた。
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