厚生労働省は10日、社会福祉法人に対する指導監督機能を強化するため、一定規模以上の法人に会計監査人の設置を義務付ける案を、社会保障審議会福祉部会（部会長＝田中滋・慶大名誉教授）に示した。上場企業における監査費用の対売上高比率を参考に、一定の収益と負債の基準を上回る法人を義務化の対象とする。基準の詳細は今後詰めるが、同省案の方向性についてはおおむね合意を得た。【丸山紀一朗】

　現行の社会福祉法上、国・都道府県・市は、社会福祉法人に対し、経営状況などについて報告を求めたり検査を行ったりすることができる。しかし、不適切な支出や会計処理について、専門的な見地からの監査が十分に機能していないとの指摘や、所轄庁ごとに異なる内容の指導が行われているとの声が上がっていた。

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