農林水産省は21日、「介護食品のあり方に関する検討会議」の「提供方法に関するワーキングチーム」(WT)に、介護食品の製造・流通・販売に関する論点を示した。介護食品を扱う食品製造業者やドラッグストア、薬局などを対象としたガイドライン(GL)策定を目指しての提示で、介護・医療関係者らが適切に連携するためのツールとして、お薬手帳を参考に「お食事手帳」(仮称)を導入することも論点として示された。【ただ正芳】
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同検討会議の「定義に関するWT」では今年3月、介護食品を、栄養状態が良くない人や食べるための機能に問題がある人に向けた食品と位置付けた「『新しい介護食品』の考え方」を取りまとめた。その後、定期的に開催されている「認知度向上に関するWT」では、介護食品の愛称を公募する方針を決定。また、利用者が身体状況に合った介護食品を購入するための「『新しい介護食品』の選び方」(仮称)についても、取りまとめに向けて議論を進めている。(「『新しい介護食品』の選び方」(仮称)の暫定版は、こちらをクリック) これまでの議論の推移を受け、農水省は「提供方法に関するWT」に、「介護食品の提供方法に関する基本的考え方」(企業向けのガイドライン策定のための論点)を示した。 論点では、策定が進められている「『新しい介護食品』の選び方」(仮称)を病院、介護施設、店頭などあらゆる場面で共通言語として利用する環境整備が必要と指摘。また、介護食品を必要とする人に対しては、医師や歯科医師、薬剤師、看護師、ケアマネジャー、管理栄養士などの医療・介護関係者が連携し、よりよい食品をアドバイスできる仕組みが必要とした。その実現に向けた具体的な対応策としては、お薬手帳のような「お食事手帳(仮称)」を活用し、利用者がどのような食品を食べているかといった情報を関係者が共有・確認することを提案している。 さらに利用者が必要な栄養を摂取できるようにするため、食品に含まれる栄養成分表示についても、積極的に表示すべきとしている。 ドラッグストアや薬局の個別の課題や論点としては、介護食品を扱う店舗そのものが少ない点や、取り扱っていても非常に少量で、紙おむつなどがある介護用品売り場に置かれている点を提示。店内でもサプリメントコーナーの一角に、介護食品の売り場が大きく設置されるような状況を目指し、取り組みを進める必要があるとしている。 また、ドラッグストアや薬局に期待される役割としては、安全かつ有効な介護食品の摂取方法など、購入者への情報提供などを挙げた。
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