【塩原公認会計士事務所 特定社会保険労務士 福島通子】
医療業界における「ブラック」な労働環境について3回にわたり、現状や問題点、「ブラック」認定されそうな具体例を解説してきた。最終回では、「ブラック病院」と呼ばれないために、どんな視点と意識で改善に取り組むべきかを訴えたい。
医療従事者の勤務実態について、これまで調査やヒアリングを重ねてきた。つくづく感じるのは、「医療行為は医療労働である」ととらえることの重要性である。医師や看護師といえども、医療職場における労働者であり、医療行為は労働である。
この認識は徐々に浸透してきているものの、診察治療の求めがあれば、正当な理由なしにこれを拒んではならないとする応召義務もあるため、医師の中には、まだまだ「ほかの労働環境とは違う、特殊な環境にあるのだ」という意識が強く残っているのではないだろうか。また、医療へのアクセスが広く保障されている日本の医療制度を盾に、軽度であっても安易に受診する患者側の意識にも原因の一端があるように思うが、その意識を変えるには時間がかかりそうだ。
(残り2480字 / 全2957字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】