【パスカル薬局管理薬剤師/立命館大学薬学部非常勤講師 横井正之】
私が専門薬剤師を目指したきっかけは、今後日本の薬剤師は、海外と同様に機械的調剤などを主に行ういわゆる調剤補助士的な薬剤師と、Pharm.D(海外の専門薬剤師)のような医療の専門職に二分されていくと考えるに至ったからです。
現在の薬局現場は、「厚生労働省の指導ありき」であり「医師の指示ありき」であり、自らが現場で医薬品情報を評価・批判したりするよりも、他人の指導や指示に従うという姿勢が非常に強いように思います。こうした現在の多くの薬剤師の姿勢は、海外で言うならば調剤補助士のスタンスで、主体的に仕事を行うPharm.Dの姿とは、根本的に違うのではないかと常々感じていました。
今後、わが国においては「医療の専門職としての薬剤師」に対するニーズが強くなることが予想されます。調剤補助士の資格が導入されるかどうかは別として、結果として日本の薬剤師も何らかの形で二分されていくことは、まず間違いないでしょう。
そんなことを考えていた時に、日本医薬品情報学会に医薬品情報専門薬剤師の制度ができたと聞き、その内容を知るにつけ非常に共感できるものがありました。この制度は、医薬品の有効性と安全性を高める適正使用情報について専門性を有し、かつ活用(創出・調査・評価・提供・安全対策・教育)を実践できる薬剤師の能力を認定するものです。日本の薬局薬剤師が、将来海外のPharm.D並みの力を持つ薬剤師を目指す上で、必要な能力養成ができ、かつ取得すれば一定の能力を証明するものとして有効であると思いました。特に後半に記載された「活用」の部分は非常に重要であると感じました。ぜひ、これを日本の薬局薬剤師の間で普及させたく思い、まずは自分でも目指すことにしました。
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