【松阪市民病院総合企画室副室長 世古口務】
前回は、当院の「総合企画室」の概略を説明いたしました。今回はこの「総合企画室」で、短期間で実績を上げた取り組みのうち、医療材料費の価格交渉について説明いたします。
安倍内閣は来年4月から、消費税率を現在の5%から8%に引き上げることを決定しました。病院の場合、医療材料、薬品、給食材料、委託費、診断・治療機器の購入などに消費税が課税されます。
今年5月に全国自治体病院協議会が発表した「消費税に関する緊急調査結果」によると、2010年度に負担した控除対象外消費税(いわゆる「損税」)は、300床規模の病院で約1億円と試算されています。
5%の時点でこの金額ですから、8%に引き上げられた場合、病院にとって大打撃になることは間違いありません。経常収支比率100%を超える自治体病院が、やっと過半数を超えてきたにもかかわらず、このままでは、多くの病院が再び赤字に転落することが想定されます。
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