【神戸大医学部附属病院教授・薬剤部長 平井みどり】
アセスメントとは客観的に評価することだが、薬剤師が行うアセスメントとは何だろうか。
ちなみに、薬歴の記載方法であるSOAP(問題志向型システムによる記録形式)の「A」は、アセスメントにほかならない。しかし、薬剤管理指導記録作成を「SOAPを書く」と言う人がよくいるが、SOAPは医療従事者同士の情報共有を容易にするために一定の形式に基づいて記録を作成する、その形式を指すのであって、薬剤管理指導の内容を言っているわけではない。
また、量を書くのが薬剤管理指導記録ではないということはご承知のはずだが、「記録は医療訴訟が起こったときに、自分たちを守る上で極めて重要」などと言われると、しっかり書くことイコール量を書くことと短絡的に思われてしまうのだろうか。検査値を長々と書き込み、看護記録を写し、処方内容について細かく記載されている記録を見ると、ちょっと違うのではないかと思う。また病棟において患者から得られる情報は膨大だろう。それをメモ代わりに全部記載していたら、せっかくの薬剤管理指導記録はかえって使い物にならないのではないか。
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