【山形大大学院 医療政策学講座助教 伊藤嘉高】
昨年、首都圏の急性期病院で退院支援を行っている医療ソーシャルワーカーに対してインタビュー調査を行った。その際、「この辺りでも療養病床は足りていないが、その上、医療型療養病床の入院費用が高いので、経済的な理由で転院できない患者も多い」という話や、「わたしの個人的なつてで、わざわざ、東北地方の病院を紹介したこともあった」という話を聞いた。
ところが、首都圏で行った筆者の上記のヒアリング調査では、首都圏の病院の主要転院先の場合、月16万-18万円掛かるのが平均的で、20万円を超えてしまう病院もあった(差額ベッド代は除く)。つまり、一般的な収入を有する世帯でも、費用面の問題によって、必要な医療が受けられない事態が生じているのである。地域によって、また病院によって、どうして、これほどの差が生じてしまうのだろうか。
次回の記事配信は12月17日(火)15:00を予定しています
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