【社会福祉法人三井記念病院医事課シニアマネージャー 千葉真一】
これから2回に分けて、当院で行った未収金対策について紹介する。今回は、体制の整備や意識改革を中心に取り上げる。
医療事故に対する患者さんの意識が変わってきた2000年以降、支払いをしない・できない人たちが増えてきた。
しかし、それは当院だけかもしれないと考え、あまり表面化されなかった。だから、病院職員レベルでの回収方法を考えてきたのだが、患者さん思いの優しい医事課員だけでは解決することができず、ますます増大してしまった。当院では恥ずかしながら管理そのものが甘く、未収合計金額さえも正確な数字を把握できていなかったが、少なくとも年間5000万円を超えていた。
今から考えると、「何もしていない」と言っても過言ではなく、やり方を指導できる上司は不在、マニュアルもないでは改善することはなくて当然だった。
そこで、当院ではどうしたか。まずは医事課の体制にメスを入れることから始めた。それには大手術が必要だったが、できるだけ低侵襲で行いたいと考えた。専従者を置き、彼には苦労を掛けるが、ほかの担当者が誰でも簡単にできるような役割分担と環境づくりから開始した。
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