【社会保険相模野病院院長 内野直樹】
医療安全の取り組みが進んできたといわれるが、有害事象発生はゼロに近づけられるのだろうか? 筆者はあり得ないと思う。人間が行っている以上、失敗や事故は必ず起こるものである。当院も診療拡大に伴って、有害事象は増加した(インシデントレポートは10年間で150件から1200件まで増えた)。レポートの増加は歓迎すべきことで、これまで「反省文的なレポート作成」をしていた職員に、「周囲への注意喚起と具体的な対策を講じる」という考えが浸透してきたと考えている。特に重要なのは、事後対応に進化が見られるかどうかという点である。
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