医療従事者の賃金を引き上げる診療報酬の新たな仕組みの具体化に向けた議論を中央社会保険医療協議会の分科会が21日始めた。病院に勤務する「医療関係職種」の賃金を1%引き上げることを想定して厚生労働省が行ったシミュレーションでは、入院基本料や入院料に一律に点数を上乗せすると、病院によって賃金の補填率にばらつきが生じることが分かった。【兼松昭夫】
医療従事者の配置などが医療機関ごとに異なるためで、公平性をどれだけ担保して賃上げの財源を配分できるかが焦点になる。
診療報酬による医療従事者の賃上げは、2024年6月に施行されることになり、中医協の「入院・外来医療等の調査・評価分科会」がこの日、枠組みの議論を始めた。看護職員や病院薬剤師などの場合は、24年度に2.5%、25年度に2.0%のベースアップを行うことになっていて、そのための制度設計を急ぐ。
厚労省は、「医療関係職種」の賃金を1%引き上げるのに必要な評価の上乗せを病院・診療所・歯科診療所・薬局・訪問看護ステーションごとにシミュレーションし、分科会にこの日、結果を報告した。
病院のシミュレーションは、
▽入院基本料や入院料別
▽「特定機能」や「救命救急入院料届け出」など類型別
-の2通りで、入院基本料・入院料別では、
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