厚生労働省は4日、介護保険施設の基準費用額について2024年度の介護報酬改定で引き上げる方向で検討することを社会保障審議会の介護給付費分科会に提案した。近年の光熱水費の高騰に対応するとともに、在宅で生活する人との負担のバランスを図るための対応案で、強い反対意見は出なかった。【松村秀士】
基準費用額は、介護保険施設での食費や居住費の標準額。多床室での基準費用額(居住費)については家計調査での高齢者世帯の光熱水費の額を参考に設定しており、13年の同調査の結果が当時の基準費用額を上回っていたことから、15年度の介護報酬改定で基準費用額を従来の1カ月当たり1万円から1万1,000円に引き上げた。
近年では家計での光熱水費が上昇しており、22年の同調査によると高齢者世帯の1カ月の光熱・水道費は1万2,451円で、19年の調査時(1万870円)を大きく上回っている。
こうした状況を踏まえ厚労省は同分科会で、近年の光熱水費の高騰に対応し、
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