中央社会保険医療協議会の総会が1日開かれ、支払側と診療側が医療経済実態調査の結果に対する見解をそれぞれ示した。その中で支払側は、医療機関や薬局の経営は「総じて堅調だ」と指摘した。【兼松昭夫】
これに対して診療側は、物価高騰や医療従事者の賃金が上昇する中でコロナ特例が廃止されれば、地域医療の提供体制を維持できなくなるなどと訴えた。
支払側と診療側は、2024年度の診療報酬改定に対する意見を次回以降の総会で出す。
支払側は今回、新型コロナウイルス感染症関連の補助金の収入を含む収支に基づき見解を示した。
病床確保料などの補助金は、通常診療の一部を控えることに伴う医療機関の減収分を保証するためのもので、松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は「いずれも収支均衡の考え方に基づくものだ」などと理由を説明した。
一方、診療側は、コロナ関連の補助金や診療報酬のコロナ特例は一過性の収益で、全ての医療機関が対象になっているわけではないとして、24年度の報酬改定の議論はこれらの影響を除いて行うべきだと主張した。
厚生労働省が11月24日に公表した医療経済実態調査の結果によると、22年度の医療機関の損益率(利益率)は、コロナ関連の補助金込みで一般病院全体がプラス1.4%、一般診療所は個人がプラス33.2%、医療法人が9.7%といずれも黒字だった。
松本委員は、
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